薬剤師の現状

薬剤師は、医薬分業が進展するにつれてその活躍の場を広げることとなり、医薬分業が広く浸透してきている現在では、多くの薬剤師が薬局関連などの職場で働けるようになっています。

医薬分業のきっかけといえば処方箋です。

1974年には、それまで処方していた処方箋の数が5倍になるという医薬分業の進展がおき、当時の厚生省はさらに医薬分業事業を推進させていきました。

その結果、2002年には院外処方箋の発行率は50%を越し、2006年には60%近くは院外処方箋となりました。

そして医薬分業が進むにつれて、薬剤師の仕事も増えるようになり、調剤だけでなく、服薬指導や薬歴管理、薬剤情報の提供などもメインの仕事となるようになってきました。

この医薬分業が進展することは、調剤薬局の増加も生みます。

そして、特に大きな病院の前には何件もの調剤薬局が並び、患者さんは病院で処方箋をもらうと、次はこの調剤薬局へ行くというのは一般的な流れとなりました。

この病院の前に並んでいる調剤薬局をはじめとした薬局関連のお店を、門前薬局と呼ぶこともあります。

こうして医薬分業が進んだことで、薬剤師は活躍の場を確かに広げてきたのですが、それにより薬剤師不足という問題を起こしました。

薬剤師には、1日に受付できる処方箋の数の制限というものがあります。

薬剤師は、1日に一人40枚までしか処方箋を受け付けることが出来ません。

つまり、患者さんがたくさん来る調剤薬局などの薬局関連店舗では、1日に来る患者さんの数が増えればそれだけ、薬剤師も増やさなくてはならないということになります。

一方で、薬剤師国家試験に合格した方の中では、給料や待遇が薬局関連施設よりも優遇されているドラッグストアや薬店などに行く人も増えました。

つまり医薬分業の推進によって、調剤薬局などの薬局関連店舗における薬剤師への需要は高まったけれど、新しく薬剤師になった人などは待遇の良いドラッグストアや薬店へ流れてしまうため、調剤薬局などの薬局関連店舗では薬剤師が足りなくなっているということが発生してきてしまっているということです。

しかし、この薬剤師不足という問題はあくまでも現状としての問題であり、将来的には薬剤師は過剰になる予想されています。

なぜならその要因として考えられることには、まずは薬学部を新設する大学が増加してきているからです。

2003年に20年ぶりに薬学部が新設されて以降、次々と薬学部が誕生してきました。

大学としては、少子化の影響などを受けて受験者数が減少してくることへの対策として、学生に人気の高い薬学部を新設することで、学生数を確保しようという狙いのもとに新設しています。

これにより薬剤師は爆発的に数が増える見通しとなったため、薬剤師は過剰になることが予想され始めました。

他に薬剤師が過剰になるだろうと予想される要因としては、登録販売者制度があります。

ドラッグストアなどの待遇が少しでもよい方に薬剤師が集まる傾向が見られている現在ですが、ドラッグストアで働く薬剤師は、登録販売者制度の導入によって、需要が少なくなることが予想されています。

つまりドラッグストアの経営者としては、人件費のかかる薬剤師を雇用するよりも、人件費が安く抑えられ、劇薬や特殊な薬でない限り販売を許される登録販売者の方が、雇用しやすくなるからです。

こうして、現在多くの薬剤師が流れていっているドラッグストアも、薬剤師の雇用は頭打ちになると思われます。

すると、調剤薬局などの薬局関連施設での需要もいっぱいになり、薬剤師は過剰になってきてしまうというわけです。